
今、私たちが住む日本は、世界一の超高齢社会となっています。その分医療費が増大し、これから世を支える若い人たちへの負担となりつつあります。そんな中、スマートウェルネス住宅という考え方が、徐々に進められています。これは、住宅の気密や断熱などの高性能化、長寿命化、耐震、省エネ、バリアフリー、中古住宅流通・リフォームなど、高齢者と未来のことを考えた家づくりを進めて行こうというものです。
特に私どもが常々実践し考えているのが、住宅の高性能化です。知識と経験に基づいた気密や断熱による住宅の高性能化は、健康や快適のみならず、省エネとなり、また住宅寿命を大幅に伸ばすことが出来、結果子どもたちに資産として残すことが出来る家づくりとなります。その上で健康にそして長生きできれば、医療費への負担も軽減でき、真に未来へ貢献できるのではと考えております。
使い捨てではなく、いいものを長く大切に使う。そのためには夏場の猛暑など激変する環境や、急激に進む冷暖房の高機能化に対応でき、また、地球環境を破壊しない優れたものでなければ意味がないのです。
古来の日本住宅は真壁です。これは、柱、土台が壁にふさがれておらず常に空気に触れていたため、結露を起こすこともなく、腐朽菌やカビの発生を抑制していました。
私たちがつくるファースの家は、その「古来からの日本住宅の思想」を取り入れ現代の新建材を利用した上で、表現できるようになっています。性能はまさに古来の日本住宅なのです。常に新鮮な空気が壁の中を動き、柱・土台に触れているため、木材の劣化を防ぐことはもちろんカビや腐食菌の発生も抑えます。
では、現代の一般の家ではどうなのでしょう。よく使われているグラスウールの断熱材は布団と同じで、空気を停滞させることにより断熱効果を発揮します。ということは、当然壁の中で空気は動くことはできません。さらに、中途半端な気密住宅では壁の中と冷暖房によって調整された室内との温度差が生まれ、カビやダニ、アトピー、シロアリの原因となる結露を発生させます。

リフォームや解体現場で、グラスウールの断熱材や土壁カビだらけ!という光景をよく見ます。カビだけじゃなく、湿気を吸った重みで断熱材が下に落ちて、壁の中がスカスカ状態もよくあります。カビだけじゃなく柱や土台が腐っていることもあります。さらに酷いときは、腐りきって柱の足元がなく大変危険な状態も見受けられます。
では、なぜ上記のように腐ってしまうのでしょう。それは、新鮮な空気に触れていないからです。昔、在庫で大量の柱を倉庫に置いていたとき、積み上げている下方の木だけが、腐っていたりカビだらけだったことがあります。逆に、新鮮な空気に触れていた上方の木には何の問題もありませんでした。室内の空気の流れも大事ですが、壁の中、床下、天井裏の空気の流れも大事なことがこのことからもわかります。
他社の工法、建て方は、吹き付け断熱や、高気密高断熱と言われていても、壁の中の空気は入れ替わりません。床下も同じことが言えます。結露が起きたときに、柱、土台などを壁で隠しているため乾燥させることも拭き取ることもできず、柱や断熱材の劣化や耐震性の低下につながるのです。この時期、冷房をかけ続けることによって進行する人にも家にも悪影響を及ぼす壁内結露はまぬがれません。
最近では、自然素材などの健康的な塗り壁など様々な商品がありますが、無垢の床材、珪藻土の塗り壁などしただけで健康に快適に暮らせるとは言えないのではないでしょうか。一見すると、開放的で快適さが伝わるような家でも、見た目だけでは判断できないのも事実です。
ファースの家は、最小限の冷暖房設備で快適な暮らしが実現いたします。空気は構造材の木材に触れるところを通るため、含水量は10%と木材の耐久性を維持するのに好ましい環境を維持することができます。結果として、家の骨組みなどの構造体は新築時と同じきれいな状態を保つことができ、家の寿命は格段に伸びます。
これから新築をお考えの方は、結露が起こらない快適に暮らしていくために賢い選択を。一度建てたら簡単に建て替えはできません。住宅ローンが終わる頃もなお快適な住まいであるようにアドバイスさせていただいております。
一言で「断熱」と言っても様々な種類や方法があるので、施工者はしっかりとその特性を理解して施工することが重要になり、ユーザー側から見ても知識を身につけ「チェックする」ことが好ましいです。壁の中の断熱材は変えが効かないので、しっかりと吟味することをお勧めします。
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